新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

208: カゴカキダイ

スズキ目スズキ亜目カゴカキダイカゴカキダイ
学名:Microcanthus strigatus (Cuvier)
英名:Stripey [原], Western stripey, Eastern stripey, Footballer, Convict fish, Butterflyfish

地方名きんちゃく(尾鷲地方)など。愛知県三河湾一色産の体長約13cmの個体から摘出した左右の標本。「駕篭担鯛(籠担鯛/籠舁鯛)のカゴカキダイ」は、太くて短い烏口骨の『嘴』部が最大の特徴と言えるが、肩甲骨の全体的な形、烏口骨の立派な『背鰭』部分、更にはその下部のカーテン様の部分など、良く見るとイシダイメジナ科の「魚のサカナ」との共通点を数多く見出すことが出来る。実際、FishBaseを含め、カゴカキダイを「スズキ目スズキ亜目イスズミ科カゴカキダイ亜科」に分類する研究者も多い模様。写真右は写真左の左側の標本を反対側から観察したもの。烏口骨下部のカーテン様の部分と『嘴』部が結合しているところが、メジナのものと良く似ていることにご注目頂きたい。


ここでは「日本産魚類検索」の記述に沿って話を進めるが、日本近海に生息するカゴカキダイ科の魚は1属1種で、更に非常に特徴的な外見をしているので同定は容易。一応「日本産魚類検索」に挙げられていた、1)左右の鰓膜が狭部前方で融合する(写真下段左)、2)体に5本の黒褐色縦帯がある、3)側線が尾柄まで達する(写真下段右/底引き網の獲物であることもあり、鱗がかなり剥がれていたので側線鱗数は計測せず)などの形質を確認した。

これも「三河一色さかな村」で、「一盛り数百円」で購入した魚の一つ。今回は刺身に。キメの細かいしっかりした身質。口の中で何度も噛んでいると旨味が広がり、また脂の乗りが良いため甘みも感じる。控えめに言ってもかなりの美味。