新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

292: アナハゼ

スズキ目カジカ亜目カジカ上科カジカ科アナハゼ属
学名:Pseudoblennius percoides Günther
英名:Perch sculpin [原], Sunrise(但しアナハゼ類の総称)

静岡県の伊東漁港で職場の関係者が釣り上げた、全長約16cmの抱卵雌個体から摘出した左右の「魚のサカナ」。射出骨付き。「穴沙魚/穴鯊のアナハゼ」は、これまでに紹介してきた「魚のサカナ」の中では、やはり同じアナハゼ属のキリンアナハゼのものに酷似するが、1)標本の『体高』が少々高め、2)標本の上縁があまり曲線状でない、3)烏口骨の『背鰭』部分に小孔が存在するなど、些細だが、幾つかの相違点を挙げることができる。また肩甲骨孔は扇型で、その下部縁は糸状。



独特の体色から一見してアナハゼであると思われたが、念のため「日本産魚類検索 第2版」を開き、1)体側下部に斜めの鱗列がない、2)頭部背面は小骨板によって被われない、3)前鰓蓋骨は最上棘が最大だが、著しく大きくはない、4)第1背鰭は9棘17軟条で、各棘は鰭膜で連続する、5)腹鰭は1棘2軟条、6)側線鱗は皮下に埋没し、尾柄部まである、7)後頭部に棘が全くない、8)下顎は上顎より前に出ない(写真中段左)、9)鰓膜は癒合し峽部を横切る皮摺を形成する(写真下段左)、10)臀鰭は16軟条で、遊離棘がない、11)第1背鰭と第2背鰭は近接する、12)眼後部に皮弁があるが、後頭部にはない、13)尾鰭後縁は深く湾入しない(写真下段右)、14)体側に暗色横帯がない(写真中段右)、15)腋部に鱗がない、16)吻端は尖る(写真中段左)、17)側線に小皮弁がない(写真中段右)などの形質から「アナハゼ」に辿り着くことを確認。

今回は食していないが、ネット上の情報ではなかなか美味であるとのこと。