新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

15: アユ(+ 稚アユ)

キュウリウオ目キュウリウオ亜目キュウリウオ上科アユ科アユ属
学名:Plecoglossus altivelis altivelis Temminck and Schlegel
英名:Ayu [原], Ayu sweetfish

20cm強の大型個体(友釣りで釣り上げたものだが、いわゆる「放流モノ」である可能性は高い)から太くて立派な中烏口骨付きで摘出成功。肩甲骨と烏口骨の結合部分にかなりの角度があるのが特徴的。

(写真は上の「鮎のアユ」を取った個体とは別物)

                                                                                  • -

上は滋賀県琵琶湖産の体長約8cmの「天然稚アユ」(琵琶湖辺りでは「氷魚」と呼ばれる)から摘出したもの。射出骨の一部/欠片付き。全体的にまだあまり骨化しておらず、成長した個体のものと比べると、当然ひ弱な印象を受ける。中烏口骨もはっきり見えるが、この時期はまだあまり太くなく、当然がっしりもしていない。肩甲骨と烏口骨の接続部分にもまだあまり角度はないが、どの位置で折れ曲がるのかこの時点で既に予測は可能。

成長したものの料理法としては、定番の「塩焼き」がやはり最高峰なのでは。旨味に溢れた身も、天然モノもしくは放流モノの内臓のコケ臭さも本当に堪らない。内臓/白子/真子の塩辛である「うるか/白うるか/黄うるか」も珍味。他に一夜干し、煮付け、アユ飯(炊き込みご飯)、小型のものは天ぷらなども。上の稚アユは唐揚げ&南蛮漬けで食したが、酒のアテにもご飯のおかずにも最高の一品であった。

(8/31/10 改稿)

注:アユの分類体系は非常に不安定で、かってはアユ科アユ属アユ1種のみという分類すら提唱されていたが、現時点では『キュウリウオ目アユ科アユ属』に落ち着いている模様。またキュウリウオ目は、かつてはキュウリウオ亜目としてサケ目に含められていたが、Joseph S. Nelsonの著作「Fishes of the World, 4th Edition」(2006) により独立の目とされた。