新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

167: イソフエフキ

スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ属
学名:Lethrinus atkinsoni Seale
英名:Whitespotted pigface bream [原], Pacific yellowtail emperor

沖縄産。沖縄ではクチナジ。体長約35cmの鮮魚から摘出。肩甲骨は比較的小さめで、その先端がスラッと細長くなっているが、実際の魚体の口元の形と似ているような印象を受ける。烏口骨はほぼ四角形で、上方の突出部(『背鰭』に相当する部分)が真横からは小さく見えるために『嘴』部分が非常に細く見える(右側の標本では先端が少々欠けている)。写真右は写真左の右側の標本を反対側から見たもの。

「磯笛吹のイソフエフキ」の『背鰭』部分にはいくつかの小孔が開いている(写真左の赤丸部分)。また上側から見ると、烏口骨上方の突起部分(庇のように見える)や肩甲骨の上にある射出骨との結合部分が大きく波打っていることが分かる(写真右)。


今回は「日本産魚類検索 全種の同定 第2版」の『同定の鍵』を辿り、1)胸鰭軟条数が13、2)胸鰭基部内側に小鱗が密生、3)体側に暗色斑がない、4)背鰭棘条が伸長しない(写真左)、5)尾鰭先端が尖る(写真下参照)、6)体側上半部の各鱗に暗色斑がある(写真左)、7)腹鰭が淡色(写真右)などの形質からイソフエフキであると判断した。

また「釣り人のための遊遊魚大図鑑 釣魚写真大全」(エンターブレイン刊)によれば、イソフエフキは臀鰭基底部が赤いこと(写真左)、胸鰭基底と鰓蓋後縁が赤くならないこと、体側の鱗の基部が暗色であることなどで体型/体色が良く似たシモフリフエフキやアマミフエフキと、また尾鰭後縁が赤くなる(写真右)ことでフエフキダイと区別可能とのこと。

今回は刺身とマース煮に。身質は良く旨味も多いので刺身は非常に美味。また熱を通すと身がブリブリになるが、味はとても良い。お取り寄せの「おまかせ沖縄鮮魚セット」に入っていたもの。