新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

166: アカハタ

スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科ハタ族マハタ
学名:Epinephelus fasciatus (Forsskål)
英名:Blacktip rockcod [原], Banded reef-cod, Blacktip grouper, Banded rock cod, Footballer cod, Redbanded grouper, Scarlet rock-cod

沖縄ではハンゴーミーバイ。体長約20cmの沖縄産の小型個体から摘出。写真左の左側の標本は高さがあり立派な射出骨付き。右側の標本は烏口骨の先が折れてしまっているが(漁の時に銛がこの部分を貫通していた模様)、肩甲骨と烏口骨の角張った形が良く分かるので左右一緒に撮影。1)肩甲骨がほぼ長方形であること、2)烏口骨の『背鰭』から後方部の上縁/下縁とも直線的で、バランスの取れた三角形の『嘴』の形になること、3)『嘴』の根元部分が曲線的に切れ込むことなどが、同じマハタ属のマハタのものとの相違点として挙げられる。写真右は左側の「赤羽太のアカハタ」の拡大図。『背鰭』の付け根に小孔が開いている。

烏口骨の上方突起部(『背鰭』部分)は肩甲骨/烏口骨が作る面に対して垂直方向に、カールしながら立ち上がっているのが分かる。


ハタ科の魚は種類も多いので見分けるのが難しいことも多いが、今回の魚は、1)背鰭棘条数が「11」(下段左)、2)臀鰭軟条数が「8」(下段右)、3)尾鰭後縁が丸い、4)背鰭の棘部背縁が黒い(下段左)ことから、比較的簡単にアカハタであると同定することが出来た。

非常に鮮度が良かったので今回は刺身に。小型サイズではあったが、雪のように白く見た目にも美しい身は上品な旨味を含み美味。予想していたよりも身は固くない。ハタ科の魚の中ではそれほど美味くないという記述を時々見かけるが、個人的には十分満足。沖縄那覇市泊港鮮魚仲買マルエイ商事から取り寄せた「おまかせ沖縄鮮魚セット」に入っていたもの。

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別の機会に三重県産の釣りものから摘出した「赤羽太のアカハタ」の標本。射出骨を除いたもの。肩甲骨から烏口骨本体上部にかけてのラインが一度垂直に落ち込んでから『背鰭』前縁部分の弧が立ち上がっているのが分かる。

(06/22/11 写真追加)