新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

50: ムツ

スズキ目スズキ目スズキ亜目ムツ科ムツ属
学名:Scombrops boops (Houttuyn)
英名:Japanese bluefish [原], Gnomefish

長崎産の体長約40cmの鮮魚から摘出。肩甲骨のサイズが比較的大きめで、全体として少々「頭でっかち」な印象を受ける。


今回は刺身と昆布締めで楽しんだが、旨味も多く非常に美味。身が少々柔らかいので、昆布締めして少し身を固めたものの方が個人的には好みだった。

近縁の標準和名クロムツとの区別は非常に難しく鮮魚店の店頭では「ムツ」が「黒ムツ」として売られていることも多い(もっとも「赤ムツ」との対比で「黒ムツ」になっている可能性もあるが)。ちなみに上の個体を購入した角上魚類小平店でも「黒ムツ」表示だった。

注:比較する点は、1)側線有孔鱗数(ムツ:50~57, クロムツ:59~70)、2)横線鱗数(ムツ:上部6~9&下部10~15, クロムツ:上部8~9&下部14~17)、3)第1鰓弓の鰓杷(鰓の櫛状の突起/ムツ:上枝2~5&下枝12~17, クロムツ:上枝1~2&下枝9~13)、生時の体色(ムツ:金紫褐色、クロムツ:黒紫褐色)であるが、実際問題「体色」(=クロムツの方がその名の通り黒っぽい)と「鱗の大きさ」(=クロムツの方が比較的細かい)以外は店頭で確認するのはなかなか難しい(ムツ/クロムツの2種が並んで売られていれば比較可能なのだが)。

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約20cmの幼魚二匹分。薄味の煮付けから摘出したもの。全体的な形は大きい個体のものとそれほど変わらない(少々「細め」なくらい)。

ちなみにムツは上記したようにムツ科。「アカムツ」(のどぐろ)はホタルジャコ科ということで、同じスズキ亜目である以外の系統関係はない。

(8/1/10 改稿)