新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

106: ギスカジカ

スズキ目カジカ亜目カジカ上科カジカ科ギスカジカ属
学名:Myoxocephalus stelleri Tilesius
英名:Frog sculpin [原], Steller's sculpin, Far eastern sculpin

地方名かじか、もかじか、ごもかじか、いそかじか(磯カジカ)など。北海道産。4つの巨大な射出骨で肩甲骨と烏口骨が分断されているのはケムシカジカアカドンコと同じ。骨全体が軟骨質なのも同じだが、他の2つより多少「骨化」が進んでいるように見える。上の写真の標本は所々着色しているが、これは外側に肉片などが残っている訳ではなく、骨の中に残っている血液?などの色。

左の標本を拡大して裏側から。1/2番目、および2/3番目の射出骨が接しているところに小さな孔が空いている。アルコール処理前。

アルコール処理して乾燥後。多少縮んでいるが、「薄くてシワシワ」にはならない。

ギスカジカには眼の後ろと頭の上に2対の皮質突起が存在する(赤丸の中の橙色の突起)。

腹側の派手な模様を見ると、英名"Frog Sculpin"がどこから来たのか理解できる。今回は定番の味噌汁にして食したが、身もしっかりしており中々美味。

魚喜日野店で購入(単なる「カジカ」表記だった)。

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(おまけ)魚の中の魚の「魚のサカナ」(完全未同定)

上の写真からも想像できると思うが、このギスカジカのたっぷり膨らんだ胃袋の中には、かなり大きめの魚が半分消化された状態で入っていた。状態からして明らかに魚種の同定は不可能だったので最初から諦めたが、一応「魚のサカナ」の摘出には成功。魚自体の、また「魚のサカナ」の形の雰囲気からすると「タラ目」の魚のような気も。烏口骨の先と根元が糸のような骨で結ばれているのは珍しい。