新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

127: ミシマオコゼ

スズキ目ワニギス亜目ミシマオコゼ科ミシマオコゼ属
学名:Uranoscopus japonicus Houttuyn
英名:Japanese stargazar [原]

新潟産。地方名うし、うしがんこ(北陸地方)。ミシマオコゼの特徴の一つである太い刺(下記参照)は擬鎖骨から飛び出ていることが分かる。射出骨付き。

肩甲骨の一部は擬鎖骨と融合している。この標本には「目」の上に小孔が2つ存在するが、反対側の標本にはこのような孔はなかったので、ミシマオコゼの「魚のサカナ」の特徴とは言えないと思われる。また前側の一つが非常に見難いが、射出骨の孔は合計3つ。

擬鎖骨/肩甲骨の融合部の結合自体は強固ではなかったので、少し力を掛けてやれば分離可能。初見時はマゴチの「魚のサカナ」に似ているような印象を受けたが、比較してみれば形の違いは一目瞭然。

写真からも分かるように、かなりの受け口で、両目は大きく離れ、かつ頭上で真上を向き(故に英名の「星を見つめる人」)、腹鰭は下顎の下にあり、鰓蓋付近には太い刺が角のように突き出る(故に地方名の「うし」、ちなみに無毒)など、なかなか『個性的』な容姿。近縁のキビレミシマとは前鰓蓋骨下縁の棘が3本(キビレミシマは4本)であることで区別できる(写真下の赤丸部分)。

和名に「オコゼ」と付くが、オニオコゼカサゴカサゴ亜目)などよりは、どちらかと言えばハタハタイカナゴに近い仲間、、、にわかには信じられないかもしれないが、同じスズキ目ワニギス亜目である。

今回は煮付けに。身離れは余り良くないのだが、フグに似たブリブリした身質で上品な旨味もあってなかなか美味。卵巣とキモは非常に美味。鮮度の良い個体が手に入ったら今度は薄造りを試してみたい。