新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

132: シロサバフグ

フグ目フグ亜目フグ科サバフグ属
学名:Lagocephalus spadiceus (Richardson)
英名:White chestnut puffer, Green rough-backed puffer

富山産の【シンコ】サイズの小型コノシロに紛れていた(何故に?)、体長約10cmの個体から摘出したもの。巨大な射出骨付きだが、全体的に「扇」にような形に見える。左側一番下の孔が肩甲骨孔、その上方の3つの孔は輻射骨が作るもの。烏口骨上部の突出部も鋭角的に尖っており、烏口骨を除いたところをイメージすると、非常に角張った「魚のサカナ」であることが理解できる。


シロサバフグは一般に無毒とされているが、素人判断は危険。近縁のクロサバフグ(日本近海のものは無毒と言われているが注意は必要)やドクサバフグ(身にも強毒あり!)とは、1)背中の小突起(棘)が背鰭まで届かないこと(写真右の赤線参照/ドクサバフグは背鰭まで到達する)、2)尾鰭の中央部が膨らまず、その下方に灰色帯がある(クロサバフグでは中央部が膨らみ、灰色帯はない)ことで識別できることになっているが、識別が紛らわしい個体もあるようなので十分注意されたい。もし個人的に食べてみようという場合は自己責任で(万が一の場合も当方は一切責任を持ちません)。

富山旅行の帰り道に立ち寄った「クックラひるがの」の『海そだち』で入手。


【追記】本エントリーの初稿に掲載していた学名 Lagocephalus wheeleri Abe, Tabeta and Kitahama は現在はジュニアシノニムになっている。

Matsuura (2010) Memoirs of the National Museum of Nature and Science, Tokyo, (46): 39-46.

(2/15/12 改稿)