新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

133: アイゴ

スズキ目ニザダイ亜目アイゴ科アイゴ属
学名:Siganus fuscescens (Houttuyn)
英名:Dusky spinefoot [原], Mottled spinefoot, rabbitfish

地方名バリ(西日本)。愛知県一色産の体長約35cmの個体から摘出。太く頑丈そうな烏口骨が大きな特徴。少々横長でもある。また烏口骨下部の擬鎖骨と結合している部分は薄くなっており、極小さい孔によって抉れている。全体的には、尾鰭の長い「金魚」や「ベタ」を彷彿させる形。写真右は、写真左の左側の標本を裏側から撮影したもの。

アイゴ科の魚の背鰭と臀鰭の棘条には毒腺があり(写真右)、刺されると非常に痛い。魚が死んだ後も毒は残るので、釣れた時や料理をする際には注意が必要。

今回は鮮度的なこともあって3枚に下ろしたものをムニエルに。下ろしている時は独特の「臭み」(ちなみに地方名の「バリ」は「小便」の意)を強く感じたが、ムニエルにした後はほとんど臭いは感じず、なかなか美味。釣れてすぐに適切な処理をしたものなどは刺身にしても非常に美味。ちなみに沖縄の「スクガラス」は、アイゴ類の稚魚の塩辛。

愛知県一色漁港にある「三河一色さかな村」で購入。他の魚と一緒に「トレイ一盛り数百円」という、まさに『雑魚』扱いで売られていたもの。これから約10回に渡り、同様に売られていた「雑魚のザコ」(ちなみに『雑魚』という言葉には愛情をたっぷり配合しているので念のため)を紹介する予定なのでお楽しみに。

注:内臓と血液と皮に臭みがあるので、以下の方法がおススメ。1)釣れてすぐに胸元にナイフなどを差し込んで活け〆&血抜き。2)魚が動かなくなったら、毒があって危険な背/臀鰭をハサミなどで切り取ってしまう。3)内臓を傷つけない様に注意しながら腹の端に沿って大きく弧を描く様にナイフ(包丁)を入れ、頭ごと内臓を除去。4)海水で血を洗い流した後は、露出した身が水に触れない様にビニール袋などに納め、しっかり冷えたクーラーに入れて持ち帰る。4)帰宅したら三枚に下ろして皮を引く。