新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

134: キビレミシマ

スズキ目ワニギス亜目ミシマオコゼ科ミシマオコゼ属
学名:Uranoscopus chinensis Guichenot
英名:Stargazer(但しミシマオコゼ科の魚の一般名)

愛知県一色産の鮮魚(体長約25cm)から摘出。ミシマオコゼ属の魚の特徴の一つである太い刺はやはり擬鎖骨から飛び出ているが、同じ属のミシマオコゼのものと比べると短い。写真右は同じ標本を裏側から撮影したものだが、キビレミシマでも肩甲骨の一部が擬鎖骨と融合していることが分かる。射出骨付き。

擬鎖骨と肩甲骨を分離したところ。外形はほぼ同じ(下記参照)ミシマオコゼの「魚のサカナ」と比べると、1)肩甲骨の先端部が丸まっている、2)肩甲骨孔がほぼ楕円である、3)烏口骨の『嘴』部分がより太いなどの点で異なっている。

キビレミシマとミシマオコゼは外形的にはそっくりであるが、1)前鰓蓋骨下縁の棘が4本であること(写真左の赤丸)、2)標準和名の通り尾鰭が黄色であることで区別可能。

また上記した通り、擬鎖骨先端から飛び出した刺はキビレミシマの方が短い模様。

これも愛知県一色漁港にある「三河一色さかな村」で、他の魚と一緒に「トレイ一盛り数百円」で購入したもの。鮮度的なこともあって今回は天ぷらにしてみたが、鮮度落ちが非常に早いのか、若しくは天ぷらには向かないのかは不明だが、旨味をほとんど感じることがなく、期待していた味からはかなりかけ離れたものであった。この次に手に入った時は別な料理法で試してみる予定。

注:ミシマオコゼ(Uranoscopus japonicus: 日本産のミシマオコゼ属の意)の英名がJapanese Stargazerなら、キビレミシマ(Uranoscopus chinensis: 中国産のミシマオコゼ属の意)の英名はChinese Stargazerになりそうなものだが、今のところFishBaseにも英名のエントリーはない。


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【追加情報】ミシマオコゼとキビレミシマの見分け方(上記以外)

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【写真左】ミシマオコゼ:眼隔の溝の後縁(赤線)が眼の後縁(緑線)に到達しない。
【写真右】キビレミシマ:眼隔の溝の後縁(赤線)が眼の後縁(緑線)に到達する(=溝が後方に長い)。

(7/7/11 改稿&写真追加)