136: クラカケトラギス
スズキ目ワニギス亜目トラギス科トラギス属
学名:Parapercis sexfasciata (Temminck and Schlegel)
英名:Saddled weever [原], Grub fish
体長約18cmの個体から摘出した左右の標本。右側は射出骨付き。烏口骨の「嘴」の中ほどの上部、立派に広がった『背鰭』に当たる部分に小孔が開いている。また肩甲骨孔の位置が烏口骨に非常に近い(左の標本では両者が完全に接している)のは珍しい。肩甲骨/烏口骨上部が盛り上がり、凹凸を成すのも特徴的。
写真上右側の射出骨付き標本を裏側から撮影。上の写真と少々印象が異なって見えるが、これは「鞍掛虎鱚のクラカケトラギス」が数カ所で折れ曲がり(横から見ると良く分かる/写真右)、立体的になっていることによる。また射出骨はまるで「鶏冠(とさか)」の様に扇型に後方に広がる。
体側にある4本のV字型の暗黒帯で見分けるのが釣り場や店頭などでは最も簡単。もっと専門的には、1)背鰭棘条が4以上、2)背鰭棘条部と軟条部の間に欠刻なし、3)体側に褐色縦線なし、4)尾鰭基部に暗色斑(写真1)、5)眼下部に暗色帯および胸鰭基部に暗色斑あり(写真2)、でクラカケトラギスと確定する(「日本産魚類検索 全種の同定 第2版」より)。また名前に「ギス」とつくが、スズキ目スズキ亜目のキス科の魚とは系統的にかなり離れている。
今回は他の魚同様に天ぷらにしたが、旨味も多く非常に美味。愛知県一色漁港にある「三河一色さかな村」で購入。