新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

142: アオメエソ

ヒメ目アオメエソ亜目アオメエソ科アオメエソ属
学名:Chlorophthalmus albatrossis Jordan et Starks
英名:Bigeyed greeneye [原]

愛知県形原産の鮮魚から摘出。別名メヒカリ(目光/極近縁のマルアオメエソと区別されずに全国的に使われている)。また静岡県の沼津や戸田辺りではトロボッチ。上段2つは扇型に広がった射出骨付きの標本。烏口骨の「嘴」の付け根に孔があるなど、予想通りマルアオメエソの「魚のサカナ」に酷似していたが、烏口骨の『嘴』の付け根部分の「絞れ」具合が少々異なっているような印象を受ける(勿論単なる個体差の可能性も)。

マルアオメエソ (Chlorophthalmus borealis Kuronuma et Yamaguchi; 英名:Round greeneye) との区別は、眼径/体長比や頭長/体長比を測定しなくてはならないなど、素人には非常に困難(実際「本当に別種なのか?」という議論もあるほどらしい)。マルアオメエソの時と同様、今回も基本的には「産地」からアオメエソであると判断した。また下の【追加情報】も是非ご覧下さい。

「メヒカリ」の一番美味しい食べ方は、塩コショウで下味を付けてから片栗粉をまぶした唐揚げではないだろうか。見た目や大きさに反して、上品な旨味に溢れた身で、唐揚げにするとホコホコになるのが堪らない。また塩焼きや干物にしてもかなりの美味。酒が進んで困ります。


【追加情報】
「新訂原色魚類大圖鑑」のP.216(図表863 マルアオメエソ)の差し込み図に、マルアオメエソは「アオメエソよりやや体高が低い」との記述がある。そこで「アオメエソ(と思われる愛知県産の個体)」と「マルアオメエソ(と思われる福島産の個体)」の写真を用い、頭の先から尾の付け根までの長さを等しくした写真を並べて比較してみた(これで「体長に対する体高の比率」などを簡単に比較できるはず):

上:アオメエソ(愛知県産/盛夏)


下:マルアオメエソ(福島産/初春)

写真を撮る時のちょっとしたズレ、季節変動、雌雄の差(残念ながら写真では確認不可)、そしてもちろん個体差などの可能性はあるものの、上の記述に反して「マルアオメエソの方が全体的により体高が高い」ようである(特に体の後半部では顕著に幅広)。また上記したように「日本産魚類検索 全種の同定 第2版」に両者を区別する鍵の一つとして挙げられている「頭長/体長比」であるが、この写真での比較を見る限り、頭長は確かにマルアオメエソの方が短いように思われる。