新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

150: アカイサキ

スズキ目スズキ亜目ハタ科ハナダイ亜科アカイサキ属
学名:Caprodon schlegelii (Günther)
英名:Sunrise perch, Schlegel's red bass, speckled perch

伊豆七島神津産。体長約35cmのオス個体から摘出。フサカサゴ科の魚のものに匹敵するような立派な射出骨付き。肩甲骨先端は直線的にならず、犬の『鼻』のようにも見える突起がある。烏口骨はかなり特徴的で、1)肩甲骨に近い部分の下部後端が後ろ向きに尖る、2)『嘴』部の付け根が細く絞れている、3)「魚のサカナ」の『背鰭』に相当する部分に小孔が存在する、4)烏口骨の『嘴』部分は先端まで幅広であるなど、同じハタ科に属するマハタの「魚のサカナ」とはかなり異なっている。


写真からも分かるように非常にカラフルな体色。名前に「イサキ」と付くが、標準和名イサキスズキ目スズキ亜目イサキ科)よりも、クエやマハタなどにより近い魚。アカイサキを含めたハタ科の魚の多くは、若い個体はほとんどメスで、大型になるとオスに性転換(「雌性先熟」)することが知られている。アカイサキも体長30cmを超えた位から性転換するらしいが、オスとメスとでは体色や体表の模様がかなり異なる(オスの方が派手)。またオスの方が味が良いという話。

身質は非常に良い。3枚に下ろした後に「中落ち」をそのままワサビ醤油で試してみたところ、残念ながら多少旨味に欠けるものだった(逆に言えば「クセ」は全くないのだが)。調べてみたところ皮目に旨味があるということで、今回は「焼き切り」にしてポン酢で。上品な旨味と焼き切り故の香ばしさに、ポン酢の柑橘系の酸味がマッチしてなかなかの美味。小学生の息子が「美味しい!」と目を輝かせていた。八王子総合卸売センター内、高野水産で購入(当日はキロ1000円だった)。