新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

154: オキヒイラギ

スズキ目スズキ亜目ヒイラギ科イトヒキヒイラギ属
学名:Equulites rivulatus (Temminck and Schlegel)
英名:Offshore ponyfish [原], Offshore rivulatus


別名にろぎ(高知)、平太郎(山口/福岡)など。体長10cm弱の相模湾産の丸干しから摘出。左右の長さは1cmに満たない。横に細長く、烏口骨下部がカーテン状になっているなど、全体的な形はアジ科アジ属のマアジや、ムロアジ属のマルアジオアカムロなどの「魚のサカナ」に良く似た印象。ただし烏口骨上部(『背鰭』に相当)はオキヒイラギのものの方が大きく盛り上がっている。肩甲骨の先端は鋭角的に尖るが、その大きさに比して肩甲骨孔は大きい。また烏口骨の『嘴』部分の先端、擬鎖骨と接する部分が「足場」のように横に広がっている。下は別の個体から摘出したものの拡大写真。烏口骨下のカーテン状の部分の形はバリエーションに富んでいる模様。


食餌の時は普段は折り畳まれている口が下方に伸出する。今回の個体は、前歯に大きな犬歯状の歯がないこと(写真下左)、後頭部や背鰭に暗色斑がないこと(写真下右)、背鰭第2棘が伸長しないこと、背中の模様が粗いこと(写真下右)などからオキイヒイラギであると判断。

写真は御徒町「吉池」で購入した小田原の山市湯川商店加工の100g入りパック(300円)。フライパンの上で焼いた干物を頭から丸かじりしたが、魚自体の旨味が元々多い上に塩加減もちょうど良く非常に美味。日本酒にもビールにも良く合って、何時もより沢山飲みたくなってしまうのが難点と言えば難点か?勿論ご飯にも良く合うので下戸の方や子供達にも。

注:Kimura, Motomura and Iwatsuki (2008) Ichthyol Res 55: 204-205.により、ヒイラギ科が新たに7属に再分類された。

(10/13/10 追加情報&改稿)