新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

161: ヒガンフグ

フグ目フグ亜目フグ科トラフグ属
学名:Takifugu pardalis (Temminck and Schlegel)
英名:Panther Puffer [原]

城ヶ島産シリーズ」第6弾。別名あかめふぐ(赤目河豚/ただし標準和名のアカメフグとは別種)。体長約25cmの個体から摘出。巨大な射出骨にか細い肩甲骨が貼りつく(一番下にある楕円形の孔が肩甲骨孔)というフグ科の「魚のサカナ」の基本形だが、輻射骨の大きな間隙を薄膜状の骨組織が埋めており「孔」になっていない(写真右/丁度シャボン玉の膜のようなイメージ)。また烏口骨の『嘴』の下側部分にも同様な薄膜状の構造が存在する。

反対側から観察すると、烏口骨上方の突起が角のように突き出しているのが分かる。


背側にある暗色斑の数や大きさには個体差がかなりある模様。眼の周りが赤くなっており、別名がそこに由来しているのは明らか(写真下段左)。また体表に小さな瘤状突起が密に並ぶのがヒガンフグの大きな特徴となっている(写真下段右)。

卵巣/肝臓が猛毒であるだけでなく、皮膚や腸も強毒。筋肉は無毒(弱毒のものも見つかっている模様)でトラフグ属の中でも非常に味の良いフグという話だが、ド素人(筆者自身)が処理したものを食する気にはとてもならず、今回は「魚のサカナ」摘出用に胸鰭付近だけを切除して、残りはビニール袋で厳重に包んで破棄した。