新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

182: ウスバハギ

フグ目フグ亜目カワハギ科ウスバハギ属
学名:Aluterus monoceros (Linnaeus)
英名:Unicorn filefish [原], Unicorn leatherjacket filefish, Rough leatherjacket

千葉産の全長約40cmの個体から摘出。写真の「薄刃剥のウスバハギ」はその魚体と同様に非常に大きく、前後方向で約7cm、最長部では約9cmある。基本形は典型的なカワハギ科の「魚のサカナ」(よって上下を反転させれば『アシカ』形)であるが、肩甲骨の大きさが烏口骨の大きさに比してかなり小さい。肩甲骨孔は真円に近い。烏口骨上方の突起部は非常に大きく/長く発達し、またその先端は櫛状。この突起部の根元当たりは大きく内側(写真手前側)に湾曲し、『庇』のようになっている。


ウスバハギの同定は比較的容易。1)英名の由来となった巨大な角(実は第1背鰭棘)が存在する、2)口が筒状に長く尖らない、3)背・臀鰭軟条数が「40」以下(写真下段左/これは背鰭部分)、4)尾鰭は短く、その後端が丸くならない(写真下段右)、という形質でウスバハギと確定する。

八王子総合卸売センター内、高野水産で購入(今回はキロ500円)。かなりの美味。多少水っぽい感はあったものの身質はかなり良い方で、また旨味にも溢れている。活け〆個体ではなかったこともあり今回はまだ小さめだった肝は食べなかったが、「てっさ」のように薄造りにしてポン酢とアサツキと一緒に供した身の方は宴会に参加していた友人達からの評判も良く、あっという間に完食。「コストパフォーマンスのかなり高い魚」というのが我が家の結論である。