新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

184: スナガレイ

カレイ目カレイ亜目カレイ上科カレイ科カレイ亜科スナガレイ属
学名:Limanda punctatissima (Steindachner)
英名:Longsnout flounder [原], Sand flounder

北海道産。体長20cm強の個体から摘出した標本。上が有眼(表)側、下が無眼(裏)側のもの。烏口骨下部のカーテン様部分の『嘴』先端に近い部分が、有眼側/無眼側ともギザギザになっている(写真右の拡大図参照)のが最大の特徴。肩甲骨孔は大きめで、肩甲骨前方に角(あるいは丘)のような小突起が存在。また烏口骨の『嘴』を走る「キール」部分は、特に無眼側で頑丈そうに見える。

標本を取った個体の表/裏。スナガレイの最大の特徴は、無眼(裏)側の背鰭/腹鰭の付け根に沿って存在する太く長い黄色帯。マガレイの黄色帯は尾柄付近にしかないので、ここを見分けられればスナガレイを判別することは容易。また有眼側には粒状の暗黒斑や白色斑が並ぶ。

念のため何時も通りに「日本産魚類検索 全種の同定 第2版」を開き、形質を辿るとスナガレイに行き着くことを確認。頭部背縁が上眼の前縁上で強く凹み、頭部先端が背側に曲がったように見える(写真左)こと、歯が門歯状で1列に並ぶ(写真右)ことなどは『同定の鍵』の一つ。

八王子総合卸売センター内、総市水産で購入(ちなみに非常に安価)したものを煮付けと唐揚げに。今回の煮付けは関西風の薄めの味付けで作ったが、元々身が厚くなく、旨味もあまりないようで、不味くはないが何か物足りない感じになってしまった。関東風の砂糖と醤油を利かせた煮付けの方が合っていたかも知れない。唐揚げは、身があまり厚くないのが幸いしてか、バリバリとした歯ごたえが心地よく美味。

注:「日本産魚類検索 全種の同定 第2版」では、ツノガレイ属 Pleuronectes punctatissimus (Steindachner) となっているが、FishBase ではこの学名はシノニム扱い。また「新訂原色魚類大圖鑑」では、学名として本稿で採用した L. punctatissima (Steindachner) が掲載されており、和属名は「リマンダ属」となっている。