新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

188: アイブリ

スズキ目スズキ亜目アジ科ブリモドキ亜科アイブリ属
学名:Seriolina nigrofasciata (Rüppell)
英名:Bowstriped jack [原], Black-banded trevally, Black-banded kingfish, Blackbanded amberjack, Butter yellowtail, Butter amberjack

愛知県一色産の体長約18cmの個体から摘出した標本。写真左の右側の標本(と、それを裏側から見た右の拡大写真)は射出骨付き。ほぼ三角形の肩甲骨に、立派な『背鰭』部分/上方突起を持ち(ただし線は細い)、『嘴』部がスラッと長く伸びた烏口骨が結合しているという特徴はヒラマサカンパチブリなどの「魚のサカナ」と共通するが、烏口骨の下側はアジ類やムロアジ類(マアジマルアジなど)のものと同じようにプリーツの入ったカーテン様。「合鰤のアイブリ」の形が2系統の「魚のサカナ」の『ハイブリッド』というのは中々良く出来た話で。


背鰭棘間が黒色の鰭膜で連なり(写真下段右)、体側後半部に暗色斜走帯があり、吻部が丸い(写真下段左)ことからアイブリであると判断。眼の上の暗色帯の一部が丁度『眉毛』の位置に明瞭に残っているために、何となく『頑固親父』の横顔のように見えるのも面白い。

愛知県一色漁港にある「三河一色さかな村」で購入。アイブリばかり15匹くらいトレーに盛られて200円だったが、実は上の写真の個体がその中の最大サイズ。今回は刺身、煮付け(お店のお姐さんのおススメ)に。このような小型の個体ばかりで、身もかなり柔らかかったものの、旨味がかなり多いために刺身でも美味。煮付けもしっとりとした身(あまりパサパサにならず)でなかなかの美味。少なくとも同じ位のサイズの「本家」(ブリ/関東でワカシと呼ばれるもの)よりは明らかに美味いと思う。