新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

187: メイタガレイ

カレイ目カレイ亜目カレイ上科カレイ科カレイ亜科メイタガレイ
学名:Pleuronichthys cornutus (Temminck and Schlegel)
英名:Finespotted flounder [原], Ridged-eye flounder, Frog flounder (但しナガレメイタガレイと共通)

別名ほんめいた(本メイタ)。愛知県一色産の体長約17cmの小型個体から摘出した射出骨付きの標本。写真上の上が有眼(表)側、下が無眼(裏)側のもの。

上の写真の有眼側(左)および無眼側(右)の「目板鰈(目痛鰈)のメイタガレイ」を、しばらく乾燥させてから撮影したもの。近縁のナガレメイタガレイ(化けメイタ)のものと良く似ているが、1)有眼側の肩甲骨先端が丸っぽく、烏口骨の『嘴』先端がナガレメイタガレイのものほど斜め下方に長く伸びないこと、2)無眼側の烏口骨の一番端がより横方向に広がって太いこと、3)有眼側/無眼側とも肩甲骨孔がナガレメイタガレイものより小さいことなどが相違点として挙げられる。ただし複数の個体からの標本を比較した結果、特に2)の形質に関しては個体差があるようで、それほど広がっていないものもあった。

標本を摘出した個体の有眼側(左)と無眼側(右)。上から見ると「菱形」に見える(あくまで筆者の印象なので間違っていたら申し訳ないが、ナガレメイタガレイはもっと丸っぽく見えるような気がする)。

メイタガレイの最も大きな特徴は、その名前の由来とも言われている、眼の間隔に前後2本存在する『角』のように見える骨性の突起(写真左の赤丸部)。それに対し、以前「魚のサカナ」を摘出したナガレメイタガレイ(写真右)では前方の突起はほとんど発達していなかった。ただしこれは個体差や性差である可能性もあるため今後も観察を続ける予定(12/09/10記:もしかしたら店頭でカットされていただけかも?)。

メイタガレイとナガレメイタガレイを区別するためには、有眼側の体の小黒斑の形を見るのがもっとも簡便。メイタガレイの小黒斑は不定形(写真左/模様自体にも個体差がかなりある)だが、ナガレメイタガレイのそれは円形(写真右)である。

愛知県一色漁港にある「三河一色さかな村」で購入(小型のメイタガレイが10匹以上で500円ほど)。粘液でヌルヌルしており捌きにくかったが、少し鼻にツンと来る独特の臭いがある皮を剥き(シタビラメ類の皮を剥ぐのと同じように、皮一枚残して包丁を入れベリベリ剥がしてしまうのが一番簡単な方法)、刺身、煮付け、干物に。小型の個体なので5枚に下ろすのは手間だったが、刺身は旨味も甘みも多く非常に美味。旨味がより濃縮される干物は当然美味。また煮付けも美味い。子持ちの個体も多かったが、煮付けた卵もしっとりして美味。