新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

287: コウライトラギス

スズキ目ワニギス亜目トラギス科トラギス属
学名:Parapercis snyderi Jordan and Starks
英名:Snyder's weever [原], U-mark sandperch, Snyder's grubfish

神奈川県城ヶ島産の釣りもので、全長9cmの個体から摘出した左右の「魚のサカナ」。射出骨付き。「高麗虎鱚のコウライトラギス」の形は、肩甲骨孔が肩甲骨/烏口骨の接するラインのすぐ近くにあるなど、これまでに紹介してきたトラギス科の「魚のサカナ」に良く似るが、1)烏口骨の上方の『背鰭』部分があまり高くない、2)烏口骨下部の湾入部分が非常に浅く、烏口骨本体の後下部が突出しないなどの相違点を挙げることは可能。



特徴的な体色からコウライトラギスであると目星をつけて「検索」開始。1)背鰭は5棘20軟条(写真中段左)、2)上顎は下顎と等しい(写真中段右)、3)背鰭棘条部と軟条部の間に深い欠刻がある(写真中段左)、4)尾鰭は湾入せず、上葉先端が多少尖る(写真下段左の緑矢印)、5)尾鰭前部に2暗色斑がある(写真下段左)、6)体側上部に大きな暗色鞍状斑がある(写真下段右)などの形質を確認して、やはりコウライトラギスであると判断。ただし「下顎前部の犬歯状歯が4対」という形質は確認できなかった(写真下)。

何時もの様に職場の関係者から標本用にと提供してもらったもの。今回は標本採取だけで食していない。