新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

52: カンパチ

スズキ目スズキ亜目目アジ科ブリモドキ亜科ブリ属
学名:Seriola dumerili (Risso)
英名:Purplish amberjack [原], Greater amberjack, Allied kingfish, Great yellowtail, Jenny lind, Rock salmon

鹿児島産。体長約40cmと【しょっこ/汐っ子】から【ひな】サイズながら、天然の活け〆ものから摘出した左右の標本。「間八(勘八)のカンパチ」はブリヒラマサの「魚のサカナ」に良く似ているが、1)肩甲骨孔が他の2種よりも大きめであること、2)烏口骨下部のカーテン様部分により大きな湾入があること、3)烏口骨の『嘴』部分が、ヒラマサほど直線的ではないが、ブリほど曲線的でもないことなどが相違点として挙げられる。

上の写真の下側の標本を両方の面から撮影した拡大図。同じ標本でも、どちら側の面から観察するかで「魚のサカナ」全体の印象が随分変わる。


眼の中心は吻端を通る線よりも上にあることや、赤みが掛かった体色からブリやヒラマサと区別できる。また近縁のヒレナガカンパチとは、1)第2背鰭前部が鎌状にならないこと(写真下段左)、2)尾鰭下葉先端が白いこと(写真下段右)で区別できる。

眼を通る暗色斜走帯を正面から見ると「八」の字に見えることからカンパチと呼ばれるようになったとか。またヒラマサと同様に、上顎の後端上部は丸みを帯びる。

八王子綜合卸売協同組合内、望月水産で購入。今回は刺身と潮汁に。コリコリとした噛み心地の良い素晴らしい身質で、脂の乗りも良く、旨味にも溢れており刺身にして非常に美味。潮汁も素晴らしい出汁が出て非常に美味。

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こちらは別の機会に養殖魚のカマ焼きから摘出したもの。上の天然魚のものと比べると全体的に「細身」であるように思われる(特に烏口骨の『嘴』部分の先端に近い領域、および肩甲骨の先端部に注目されたい)。

(11/24/10 改稿)