新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

115: ナマズ

ナマズナマズナマズ
学名:Silurus asotus   Linnaeus
英名:Japanese common catfish, Japanese catfish

別名マナマズ。京都錦市場の「川魚のとよ西店」で購入した蒲焼き(琵琶湖産と表示されていた)から摘出。眼が体の比較的上の方にある(=横側から見えない)こと、頭部〜胸部の腹側が白色であったことから、琵琶湖/余呉湖に生息する「イワトコナマズ」(Silurus lithophilus Tomoda)でなく、より一般的な「ナマズ」であると判断した

さて肝心の「魚のサカナ」であるが、肩甲骨/烏口骨/中烏口骨/擬鎖骨が広範囲で強固に融合しており、特に肩甲骨/烏口骨の境目は全く分からない。ということで、擬鎖骨から外さずにそのまま撮影。

横側からのアップ。肩甲骨孔の上を少々曲がりながら左下方向に走っている細い骨が中烏口骨。その上側根元には写真表側方向に湾曲したルーフ状のヒダ有り。胸鰭は肩甲骨の写真左方向に結合していた。

「魚のサカナ」を背中側から見た所。シート状に伸びた背側部分も擬鎖骨と完全に融合し、そこにも孔が開いている(肩甲骨孔とは別なものなので念のため)。ちなみに写真中央の右上にある三角形の孔の上側のアーチが中烏口骨。

今回は出来合いの「蒲焼き」を購入した訳だが、身、皮とも生臭味など全くなく非常に美味(日本酒のアテとしては最高クラスの味かも。ナマズよりも美味というイワトコナマズはどのくらい美味なのだろう?)。ただし上の「魚のサカナ」を取り出すために、カマ部分を少々熱湯の中に浸漬した時には生臭味が出て来たので、創業が明治時代という「のとよ」さんの蒲焼きのタレが見事に生臭味を消しているのかも知れない。

注:日本(琵琶湖)に生息するもう一種のナマズ属、ビワコオオナマズSilurus biwaensis Tomoda)とは、蒲焼きということで表皮の模様(ナマズには雲状斑あり)が判別できないこと、尾鰭の先端(ビワコオオナマズでは尾鰭上部の方が長い)が切断されていたことから厳密には区別がついていない。ただし、ビワコオオナマズは大味で独特の臭みがあるため、ほとんど食用として利用されることはないという話(wikipedia”ビワコオオナマズ”参照)。