新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

「魚のサカナ」に関して

それでは「魚のサカナ」に関して少し詳しく説明します。

下の写真は『真鯛のマダイ』(正真正銘の「鯛のタイ」)ですが、魚の「顔」に見える部分が肩甲骨(けんこうこつ/scapula)、「尾」に見える部分が烏口骨(うこうこつ/coracoid)です。また「目」に見えるのは、胸鰭(きょうき:胸ビレ/pectoral fin)を動かすために必要な神経と血管の通る肩甲骨孔(けんこうこつこう/Scapular foramen)となります。

以下wikipedia『鯛の鯛』より(振り仮名など一部加筆):

鯛の鯛(たいのたい)は、硬骨魚類の骨の一部で、姿が鯛に似た部位のことである。タイのタイ、鯛中鯛(たいちゅうのたい)とも呼ばれる。(中略) 硬骨魚の肩帯の骨の一部であり、肩甲骨と烏口骨が繋がった状態のものである。この部位は主に胸鰭を動かす時に使われる骨であり、肩甲骨と烏口骨の両端で擬鎖骨(ぎさこつ/cleithrum)に繋がった形でえら付近にある。

具体的に見てみましょう。『魚のサカナ』は↓の赤丸の部分、胸鰭の下に存在します。

下は上の写真の個体から胸鰭/射出骨(後述)/擬鎖骨(内向きのアーチ状の骨)付きで取り出した『真鯖のマサバ』です。丁度魚の前方から見た形に並べてありますが、右側のサンプルを見ると、肩甲骨/烏口骨と胸鰭の位置関係が分かって頂けるかと思います。

またニシン科、コイ科、サケ科など一部の比較的下等な魚(科学的にはあまり適切な言い方ではないですが)には、肩甲骨と烏口骨の結合部の辺りから針/アーチ状に飛び出した中烏口骨(ちゅううこうこつ/mesocoracoid)という骨が存在しています。また「魚のサカナ」と胸鰭を繋ぐ、射出骨(しゃしゅつこつ/actinost)もしくは輻射骨(ふくしゃこつ)と呼ばれる骨があり、この骨も魚種によって非常にバリエーションがあります。ということで、可能/必要な場合これらの骨も付いた状態で紹介しています。

上は「鰊のニシン」です。左下方向に針状に飛び出している骨が「中烏口骨」です。

上は「鮎並のアイナメ」です。胸鰭の軟条(筋状に見える部分)根元の白い軟骨が結合している、ハート形に穴の空いた部分(4つのパーツから成ります)が「射出骨」になります。

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鯛の鯛」に関しては以下のサイトもおススメです。

魚のヒミツ−鯛の鯛 - NET de 水族館

『海のはくぶつかん』1993年1月号 鯛中鯛 岡有作

『海のはくぶつかん』1993年3月号 鯛中鯛 其ノ二 岡有作

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