110: ヒゲソリダイ

スズキ目スズキ亜目イサキ科ヒゲダイ属
学名：Hapalogenys nigripinnis (Schlegel in Temminck and Schlegel)^注
英名：Skewband grunt [原], Band Grunt, Black grunt

基本の形は典型的なスズキ亜目の「魚のサカナ」だが、各部分が太めでかなりがっしりした印象。全体的に見ると、同じ科のイサキのものとはあまり似ていない。

顎の下にヒゲがある「ヒゲダイ」の近縁種で、そのヒゲが痕跡程度なので「ヒゲソリダイ」、、、お見事。まあでも実物を見ると「ブショウヒゲダイ」と呼びたくなる訳だが。

身が厚いため可食部が比較的多いのが嬉しい。半身ずつ刺身とバター焼きで食べてみたが、特に刺身は絶品。身質は滑らかながら心地好い歯ごたえがある。旨味と甘みも多く非常に美味。角上魚類小平店で購入。

注：これまでヒゲソリダイの学名とされていたHapalogenys nitens Richardsonは、以下の論文の出版で H. nigripinnis のジュニアシノニムとなった。またこれまでH. nigripinnisとされてきたヒゲダイは，新種 H. sennin Iwatsuki and Nakaboとして記載された。
Yukio Iwatsuki and Tetsuji Nakabo, Redescription of Hapalogenys nigripinnis (Schlegel in Temminck and Schlegel, 1843), a Senior Synonym of H. Nitens Richardson, 1844, and a New Species from Japan., Copeia, 2005(4): 854-867 (2005).