新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

121: ハダカイワシ属の魚(未同定)

ハダカイワシ目ハダカイワシ科ハダカイワシ
学名:Diaphus sp.
英名:Headlight fish(ハダカイワシ属の魚の一般的な英名), Lanternfish(ハダカイワシ科の魚の一般的な英名)

昨日の記事で紹介したホタルジャコと同様に、これも『朝獲り』のゴマサバの胃の中に入っていたもの(他にかなり大きなカタクチイワシを4匹も食べていた「猛者」もいた)。まずまず新鮮な状態であったためにハダカイワシ属の魚であることまでは何とか辿れたが、日本近海だけでも30余種が生息するハダカイワシ属の魚種の同定には、本当に些細な特徴(発光器の数や位置など)を判別しなくてはならないという素人には余りにも複雑/困難な作業が必要であり、また今回は魚の状態的にもそこまでの判別は不可能、、、という訳で、ここでは「ハダカイワシ属の魚」として紹介させて頂く。

体長約7cmの個体から摘出したものの表裏。大きめの「目」がなかなか可愛らしい。烏口骨の「嘴」部分はがっちり太く短め。またこの部分が後部方向に水平に伸びているような印象だが、このようなものは珍しい。

写真からも分かる通り鱗が非常に剥がれやすく、すぐに筋肉がむき出しになってしまうことから「ハダカ」の名が冠せられた(地方によっては別名ヤケド)。また名前に「イワシ」と付くが、本家のイワシ類とは系統的にかなり離れているので念のため。

さすがにゴマサバの「最後の晩餐」を食べる気にはならなかったが、ネットで検索する限り、ハダカイワシ属の魚は新鮮なら刺身でも美味しいらしい。また干物もうまいとか。将来機会があったら是非試してみたい。

注:1)光彩後半部に三日月型組織なし、2)発光器が全て側線の下側、3)尾鰭前発光器が3個以上、4)胸鰭下発光器が胸鰭基底上端より下にある、5)体側後部発光器が1個、6)尾柄上下発光腺なし(恐らく)、、、から、ハダカイワシ属の魚であると判断。

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【おまけ】もう1種のハダカイワシ科の魚

上の魚を捕食したゴマサバの胃の中には、少なくとももう1種のハダカイワシ科の魚(尾鰭前発光器が2個以下)が何匹か入っていたのだが、魚の状態が余り良くなかった(=多くの発光器がなくなってしまった)ため、残念ながら「属」の同定にも至らなかった。一応「魚のサカナ」を取り出してみたところ、肩甲骨孔が小さく、烏口骨の「嘴」部分がすらっと細長いなど、上記したハダカイワシ属の魚のものと比較してかなり形が異なっていたので、【おまけ】としてご紹介させて頂く。こちらも体長7cmほどの個体から。

ちなみに上に写っているハダカイワシ科の魚からの「魚のサカナ」は、どれもほぼ同じ形をしていた。