新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

294: オオスジイシモチ

スズキ目スズキ亜目テンジクダイ科テンジクダイ属
学名:Apogon doederleini Jordan and Snyder
英名:Fourstripe cardinalfish [原], Doederlein's cardinalfish

静岡県伊東漁港での釣りもので、全長約11cmの個体から摘出した左右の「魚のサカナ」。「大筋石持のオオスジイシモチ」の基本的な特徴は、これまでに紹介してきた他のテンジクダイ科の「魚のサカナ」と共通する点が多く、中でもやはり同じテンジクダイ属のネンブツダイクロホシイシモチのものに酷似する。強いて挙げるとすれば、1)肩甲骨の先端部が比較的丸みを帯びること、2)烏口骨本体部の幅が比較的狭いこと、3)烏口骨下の湾入部の特に前側縁が少々いびつであること、4)烏口骨の『嘴』部が比較的短めであることなどが相違点となろう。写真右は、写真左の右側の標本の拡大図。

「○○イシモチ」という名前が付くだけあって、オオスジイシモチも魚体のサイズに比べて耳石が大きめ。今回の個体では写真の通り左右約7mmある。ただし一般に「イシモチ」と呼ばれるシログチなどはスズキ目スズキ亜目ニベ科に属し、本稿のオオスジイシモチ(スズキ目スズキ亜目テンジクダイ科)とは全く別の科の魚であるので念のため。


 
 

体色からオオスジイシモチであることがほぼ確実であったが、何時もの様に「日本産魚類検索」を開き、1)後側頭骨に棘がない(写真中段左)、2)頭部/体に光器列がない、3)体の側線は完全で側線孔は大きく、尾柄まで達する(写真中段右)、4)両顎に大きな犬歯状歯がない(写真下)、5)鱗は櫛鱗、6)尾鰭は2叉形(写真中段右)、7)尾鰭最長軟条は分枝する、8)咽頭部から臀鰭基底にかけて発光腺がない、9)側線鱗は他の体側鱗と同大、10)第1背鰭は7棘(写真下段左/第1棘は小さいが、第2棘と比べて著しく小さいということはない)、11)前鰓蓋骨後縁は弱い鋸歯状、12)臀鰭軟条数は9(写真下段右)、13)側線有孔鱗数は26、14)眼上背縁部は凹まず、吻は短い(写真中段左)、15)体は膨張し体幅が広い、16)尾鰭上下葉の先端に色斑がない(写真中段右)、17)第1鰓弓の鰓耙数は17、18)胸鰭後縁は臀鰭起部付近に達する、19)上顎後端は眼の後縁に達しない(写真中段左の赤緑線)、20)体側全体に暗赤褐色で明瞭な4本の暗色縦帯があり、その幅は白い部分よりも狭い(写真中段左)、22)吻部は丸みがあり、先端は丸い(写真中段左)、26)体側の第1/第3番目の縦帯は尾柄後端に達せず、第2縦帯は尾柄部の黒色円斑に達しない(写真中段右)などの形質からオオスジイシモチであると判断。

ネンブツダイとクロホシイシモチの猛襲の中、職場の関係者が1匹だけ釣り上げたもの。今回は口にしていないので食味は不明。