新・魚のサカナ(鯛のタイ)図鑑(引越中)

いわゆる「鯛のタイ」の写真集

4: クロダイ

スズキ目スズキ亜目タイ科ヘダイ亜科クロダイ
学名:Acanthopagrus schlegelii (Bleeker)
英名:Black porgy, Black sea bream

関西方面では別名チヌ。上の写真は、大きな精巣を持ったオス個体(写真下/愛知県産)から摘出したもの。「顔」の先端部分が丸みを帯び、言うなれば「ムーミン」のような印象。また「尾」部分は直線的で、近縁のヘダイに似ている。

八王子綜合卸売協同組合、望月水産で購入。

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またクロダイは性転換することでも有名。成長に合わせてオスからメスに性転換する(「雄性先熟」)が、この写真は卵をたっぷり持ったメス個体(兵庫県産)から摘出したもの。「顔」の部分がオスのものほど丸くなっておらず、全体的に『平鯛のヘダイ』と酷似している。

このオス/メスの形の差が、性転換の結果なのか、あるいは単に個体差や地域差を反映しているだけなのかは、今後調査してみる必要があるかも。

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口の先から尾鰭の先まで約5.5cmの幼魚から、胸鰭の軟条および射出骨付きで摘出したもの。既に親個体と同じような形をしているが、やはり「幼さ」をどことなく感じる。

愛知県東幡豆の小さな漁港でハゼ釣りの仕掛けに掛かったもの。釣れた時は各鰭が黄色だったので「キチヌ」の幼魚では?と思われたが、側線上方の鱗数が5.5枚あった(写真右)ので「クロダイ」の幼魚であることが判明。

(8/17/10 改稿)